動画だけでは伝えきれなかった
「フォーカシング」についての補足説明です。

「フォーカシング」についての
理解を深めていただければ幸いです。

 

●フォーカシングとは?

フォーカシングを
ひと言でいうのであれば、

「身体の感覚を通じて、心の声を聞く」

心理療法です。

 

心と身体はつながっています。

 

誰しも緊張するとおなかが痛くなったり、
不安で胸がざわざわしたりなど、

心の変化が体の症状として
表れた経験があることでしょう。

 

「(心配事があって)頭が痛い」

 

「胸が張り裂けそう」

 

「肩の荷がおりる」

など、

 

体の一部を用いて
感情を表す慣用句がたくさんあるのも、

人は昔から「心と身体」
がリンクしていることを
感覚的に知っていたからだといえます。

 

 

「フォーカシング」は、

そんな心と身体のつながりを利用して、
感情をコントロールする心理療法です。

 

これは、
カウンセリング技法の基礎を築いた
カール・ランサム・ロジャーズと
共同研究をしていた
心理学者ユージン・ジェンドリンによって
体系化されました。

 

フォーカシングとは日本語で
「焦点を当てる」という意味です。

 

フォーカシングでは、
悩みや不安があるときに感じる

「心がもやもやする感じ」
「肩が重い感じ」

といった、
言葉では言い表せない身体の感覚に
焦点を当てます。

 

そして、そこから
心の声(おもにネガティブな感情)を探り、

その感情にどう対応すればいいのか、
自分に合った対処法を見つけます。

 

 

フォーカシングでは、
この漠然とした身体の
「なんとなく嫌な感覚」を
「フェルトセンス」と呼びます。

 

フェルトセンスはいつでも
自分の内側にあるものですが、

日常生活では重要視されていなかったり、
まったく気づかれなかったり、
放っておかれることも多いでしょう。

 

しかし、これは逆に言えば、
気づいてほしいという心の叫びが、
身体の感覚となって現れているものと
いえるかもしれません。

 

フォーカシングでは、
普段やり過ごしてしまいがちな
フェルトセンスに注目することで、

今まで自分でも気づかなかった
「本心」に
気づくことができます。

 

実際のカウンセリングでは、
3回~4回目くらいにおこなう心理療法です。

 

 

●身体に感覚を感じにくい人は?

ただし、
中には身体の感覚(フェルトセンス)を
感じにくい方もいます。

 

とくに、
いつも頭で考えすぎてしまう人は、
フォーカシングが苦手な傾向にあります。

 

そういう人は、
フォーカシングを行う前に、

日常生活で嫌なことがあったとき、

身体のどこに
漠然と気になる感じがあるか
探ってみてください。

 

そうやって改めて意識すると、

フェルトセンスが
感じられるようになる人もいます。

 

 

また、
身体の感覚に
意識を向けるようにすると、

余計なことを考える時間が
少なくなるので、
頭を休ませる効果もあります。

 

それでもフェルトセンスが
感じられないという方は、

フォーカシングを無理に
行わないほうがいいでしょう。

 

これから動画で紹介する
「イメージ療法」など、

別の療法を実践すれば
まったく問題ありません。

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以上、フォーカシングについての
補足説明をお話ししましたが、
いかがでしたでしょうか。

 

補足説明を読んだうえで、
再度、フォーカシングをおこなってみても
よいかもしれませんね。

 

その行為を納得しておこなうのと、
何だかよくわからないけど
おこなっている行為とでは、
成果も全く違いますので。

 

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「感情のコントロール 実践編」
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